研究室紹介(西田 梢 研究室)2024年4月開室

〈研究室紹介〉

貝類、サンゴ、魚類、両生類など、炭酸カルシウムやリン酸カルシウムからなる硬組織をもつ様々な生物を研究対象として、殻や骨格に刻まれた環境や生態の履歴を復元する研究に取り組んでいます。これら生物の硬組織について、安定同位体比分析をはじめとする地球化学分析や結晶観察、成長解析といったアプローチを駆使して、グローバル~地域スケールの環境問題や生物進化・適応の研究に取り組んでいます。例えば、貝類やサンゴは樹木の年輪のように日々硬組織を形成しているので、時系列に硬組織を分析することで、1年~数百年スケールの環境情報を調べることができます。生き物の硬組織から得た環境記録を用いることで、地球温暖化といった環境変動のモニタリングや将来予測に役立てたり、生物の生息環境から生態系保全のための環境基準の策定に役立てたり、あるいは過去に起こった生物の絶滅事変と環境変動の関係を検証したり、と過去から現在、そして将来の生物と環境の関わりの理解に役立てることができます。

〈最近の主な研究テーマ〉

・真珠貝や食用貝への沿岸域の温暖化・貧酸素が及ぼす影響評価
・頭足類化石(アンモナイトなど)を用いた絶滅生物の生態研究
・魚類・両生類の骨格を用いた行動生態の研究
・新規同位体分析技術(クランプトアイソトープ)の開発

〈研究室の特徴〉

自ら実験・観察を行い、高度な分析技術・知識を身に着け、グローバル・地域スケールの環境・社会問題の解決のための機動力のある人材になることを目指します。研究室では豊富な研究テーマがあるので学際的な視野を学ぶことができ、学内外の研究者との交流機会も多く、コミュニケーション力を培うことができます。初心者でも歓迎で、意欲さえあれば誰でも参入できる研究領域です。興味を持った方は、ぜひ私たちの研究室に足をお運びください。

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